企画提案書とは、クライアントが抱えるビジネス上の課題や目的に対し、Webサイト制作やリニューアルを通じてどのように解決し、どのような成果(KGI)を達成するかを論理的に提示するドキュメントです。
単なる「デザイン案集」ではなく、「現状分析」→「課題提示」→「解決策(企画)」→「実行計画(予算・スケジュール)」という一連の流れを説得力のあるストーリーとして構築します。この提案書がクライアントに承認されて初めて、プロジェクトが始動するため、ディレクターの仕事における「最初の、そして最大の山場」となります。
クライアントへの提案が成功しなければ、プロジェクトは開始されず、これまでのリサーチや設計の努力はすべて水の泡となります。企画提案書は、クライアントに「この企画に予算を投じる価値がある」と納得してもらうための、最も重要な営業ツールです。
特に企業の決裁者は多忙です。何十ページもある提案書を隅々まで読む時間はありません。冒頭の数ページで企画の全体像、メリット、そして投資対効果(ROI)が明確に伝わる構造になっていなければ、内容が充実していても採用されることはありません。
承認を得やすい企画提案書を作るための鉄則は、以下の構成を遵守することです。
企画提案書は「How(どう作るか)」から書き始めるのではなく、「Why(なぜ今、これを作るべきなのか)」から始めるストーリーテリングを習得してください。
クライアントが抱える「痛み」や「夢」といった感情的な部分に語りかけるコピーを冒頭に配置し、その後に論理的な「解決策(企画)」を提示する構成が人の心を動かします。また、プレゼンテーションのスキルも不可欠です。作成した企画書を、限られた時間で端的に、かつ熱意をもって伝える練習を繰り返すことで、提案の成功率は劇的に向上します。