SNS分析(ソーシャルリスニング)とは、X(旧Twitter)、Instagram、TikTokなどのソーシャルメディア上で、ユーザーが自発的に発信している口コミや会話を収集・分析する調査手法です。
企業側が質問を用意するアンケートやインタビューとは異なり、ユーザーが生活の中で自然につぶやいた言葉を対象にするため、バイアス(偏り)の少ない「本音」や、企業側が想定していなかった「意外な利用シーン」を発見することができます。商品開発、プロモーションの反響測定、ブランドイメージの把握など、あらゆる企画の初動で活用されます。
現代のヒット商品は、SNSでの「共感」や「話題性(バズ)」から生まれることが多くなっています。今、世の中で何が流行っていて、何が批判されているのかという「文脈(コンテキスト)」を無視した企画は、誰にも刺さらないばかりか、思わぬ理由で批判を浴びて炎上するリスクさえあります。
また、Webサイトのリニューアルなどにおいても、「今のサイトのどこが不満か」をSNSで検索すると、問い合わせフォームには来ないような「動作が重い」「ボタンが分かりにくい」といったリアルな苦情が見つかることがあり、改善の重要な手がかりになります。
ただ漫然とタイムラインを眺めるのではなく、目的意識を持った検索技術が必要です。
X(旧Twitter)には高度な検索コマンドがあります。
例えば「min_faves:100(100いいね以上のツイートのみ表示)」や「until:2024-01-01(指定日までのツイート)」、「-filter:links(URL付きを除外=宣伝を除外して純粋な会話を探す)」などです。
これらを組み合わせて、「ノイズを除去して、本当に価値のある声だけを抽出する技術」を磨いてください。無料ツールの「Yahoo!リアルタイム検索」を日常的にチェックする癖をつけるだけでも、トレンドに対する感度は劇的に上がります。