統計データ収集・解析とは、政府が発行する白書や統計データ、民間シンクタンクの調査レポートなどを収集し、市場のトレンドやユーザーの動向を数値的に把握する業務です。
競合調査が「特定のライバル」を見るミクロな視点だとすれば、統計データは「市場全体」を見るマクロな視点です。「スマートフォンの利用率は年代別でどう推移しているか」「EC市場の成長率はどれくらいか」といった、個人の感覚では分からない事実を数字で裏付け、企画の妥当性を証明するために行います。
クライアントや決裁者は、投資判断のために確実性を求めます。ディレクターが「最近流行っている気がします」と言っても予算は降りませんが、「総務省のデータによると、昨年対比で120%成長しています」と言えば、説得力は天と地ほど変わります。
特に新規事業や大規模リニューアルの場合、ターゲットユーザーの市場規模(パイ)がどれくらいあるのか、そのニーズは一時的なブームではなく今後も続くのか、といった「勝算」を示すために、信頼できる統計データは不可欠な材料となります。
実務でデータを扱う際、最も注意すべきは情報の信頼性です。
集めたデータをそのまま使うだけでなく、自分で加工するスキルがあると分析の深さが増します。ExcelやGoogleスプレッドシートのピボットテーブルを使ったり、複数のデータを掛け合わせて相関関係を見たりする基礎的なデータリテラシーを身につけましょう。
また、日頃からニュースを見る際に「このグラフの縦軸と横軸は何か?」「単位は何か?」を意識して見る癖をつけると、数字に騙されない目が養われます。データは「読む」ものではなく「疑って読み解く」ものです。